藤井旭の日食観測ガイド.誠文堂新光社.

僕は小学生のころ藤井旭さんの本には随分とお世話になった.だから書店で2012年5月21日の金環食の本を探していた時に,氏の名前を見つけて小躍りした.失礼ながら,まだご存命とは思っていなかったので.

しかも出版社は天文年鑑の誠文堂新光社.天体観測に関しては絶対に信頼の置けるタッグだ.

金環日食の原理の説明は冒頭2ページだけ.その他の日食の説明とあわせても合計6ページだけ.残りのページはすべて,今度の金環日食の見方に捧げられている.さらに日食を目視できるような遮光フィルムもついている.(ああ,すすガラスの代わりだね.)

巻末には今後見られる天体ショーが写真,イラスト入りで載せられていて,これだけでもわくわくする.特に2012年8月14日の金星食の解説では1989年12月2日の金星食の写真が載せられているのだが,本当に綺麗だ.(かくいう僕は肉眼で見たのだが,生涯見た中で最も美しい光景だった.)

そして,裏表紙はチロのイラスト.これで泣かない元天文少年がいるだろうか.

藤井旭の日食観測ガイド.誠文堂新光社.

僕は小学生のころ藤井旭さんの本には随分とお世話になった.だから書店で2012年5月21日の金環食の本を探していた時に,氏の名前を見つけて小躍りした.失礼ながら,まだご存命とは思っていなかったので.

しかも出版社は天文年鑑の誠文堂新光社.天体観測に関しては絶対に信頼の置けるタッグだ.

金環日食の原理の説明は冒頭2ページだけ.その他の日食の説明とあわせても合計6ページだけ.残りのページはすべて,今度の金環日食の見方に捧げられている.さらに日食を目視できるような遮光フィルムもついている.(ああ,すすガラスの代わりだね.)

巻末には今後見られる天体ショーが写真,イラスト入りで載せられていて,これだけでもわくわくする.特に2012年8月14日の金星食の解説では1989年12月2日の金星食の写真が載せられているのだが,本当に綺麗だ.(かくいう僕は肉眼で見たのだが,生涯見た中で最も美しい光景だった.)

そして,裏表紙はチロのイラスト.これで泣かない元天文少年がいるだろうか.

@3 weeks ago
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#★★★★★ #astronomy 

AWKを256倍使うための本 

1993年の本.対象OSはMS-DOS.言語は GNU Awk.つまり,とてつもなく前時代的に見える.しかし,本書の内容は現代でも使えるのだ.

実際,筆者は数GBに至るテキストファイルを処理することがあるのだが,その前処理(エラーを弾くとか,フォーマットを揃えるとか)にはいつも GNU Awk を使っている.エディタを立ち上げるのも面倒な作業は,やはりAwkの「一行野郎」に限る.

@1 month ago with 9 notes
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#AWK 

(Source: amazon.co.jp)

@2 months ago
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ライト、ついてますか―問題発見の人間学 - ドナルド・C・ゴース, G.M.ワインバーグ, 木村泉訳  

1. 何が問題か?
2. 問題は何なのか?
3. 問題は本当のところ何か?
4. それは誰の問題か?
5. それはどこからきたか?
6. われわれはそれを本当に解きたいか?

ここまで考えて,はじめて我々は問題を解くことに着手できる.

@3 months ago
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#★★★★★ 

サイエンス入門 - リチャード・ムラー 

この本はポピュラーサイエンス(大衆科学)本では無い.本気のサイエンス本である.つまり,誤魔化しが一切無い.

にもかかわらず,解説が簡にして要を得ている.数式は本当に最小限だし,出てくる数値は具体的だ.具体例を挙げると,本書は「TNT(トリニトロトルエン)とチョコチップクッキーとでは,同じ質量あたりどちらがどれぐらい大きなエネルギー(化学エネルギー)を持っているでしょうか」と問う.

答えはおそらく意外なものだろう.チョコチップクッキーはTNTの8倍のエネルギーを持っている.なぜそうなるのか,またなぜ爆弾はチョコチップクッキーではなくTNTで作られるのかという疑問に対しても,本書は逃げずに答えを記している.

文学系の研究者はもちろん,理工系の研究者も改めて読んでもらいたい本だ.

@3 months ago
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#science #★★★★★ 
著者より献本いただいた.

世界史の始まる場所,エジプトの文明誕生から古代ローマ帝国時代までをわかりやすい語り口で紹介してくれる.

著者より献本いただいた.

世界史の始まる場所,エジプトの文明誕生から古代ローマ帝国時代までをわかりやすい語り口で紹介してくれる.

@1 month ago
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かたちと意識―隠された主体を尋ねて - 小川一行 

危険な本だ.

火傷する.肯定するにも,否定するにも,評者の知性を試される.アジモフの作品は評者の感性ではなく知性が試されるという言葉があるが,アジモフはまだ読者への気遣いをふんだんにしていたのだと気付かされる.本書はそれ程に辛口である.デザイナ向けに書かれた本であるが,本書の内容を理解できるデザイナは日本に数名しかいないだろう.

著者小川一行は湯川秀樹の下で物理学を学び,東芝で20年以上技術職を勤め,その後デザイン部門へと転身し,さらにその後千葉大工学部へと移った異色の経歴の持ち主である.その彼が繰り出す,数学,物理学,生理学,心理学,哲学とデザインのタペストリーは,空前の知の冒険へと誘う.

本書冒頭にあるとおり,湯川秀樹の「類似を安易に他人の空似と見過ごしてはいけない,思いがけない血のつながりが隠されているかもしれないのだから」という言葉を足がかりに,本書は,デザインという知性と感性を統合した精神的・肉体的活動と様々な学術的知見とのアナロジーを通して,デザインの本質へと迫る.

僕もまだ一読した段階なので到底読み込んではいないのだが,初見でのまとめを以下に記しておく.

第1章「かたちの不思議」は「かたち」と「形」を便宜上区別する必要性を解くことから始まる.数学の言葉で言えば集合と元の区別だ.だから「形という名のかたちはない」となる.カントールラッセルが登場するが,基本的な集合論を抑えておけば問題ない.図1.7はこの時点では意味不明だが,通読して戻ってくるとなんとなく意味がわかる(だろう).

第2章「知覚空間の基本原理」はJ.J.ギブソンの生態学的視覚論の紹介だが,知覚空間(定義が若干曖昧な気がするがそれはさておき)は数学で言うハウスドルフ空間に近いという話も出てくる.吉川弘之の一般設計学との対比が頭をよぎる.

第3章「ゲシュタルト理論」は途中からニュートン・ポテンシャル(重力ポテンシャル)の話になり,位置や質量に相当する心理的な量は何かという議論が展開され,結論は第6章へと持ち越される.途中密かにユングの唱えた無意識的複合体が顔を出す.

第4章「生体内での情報の変容」は打って変わって生理学の内容で,視細胞の構造からヒトの視覚情報処理に話が及ぶ.

第5章「知覚の古典力学」は難解なのだが,僕の理解ではニュートンの運動法則と知覚の法則との対比を行なっている.例えば運動量は外力を受けなければ変化しないのは,知覚の慣性あるいは恒常性と対比される.続けて,かたちとは位置pと流れqのペア(p,q)であり,ペア(p,q)のノルムがある種の変換に対して不変であることを述べている.(ここらへんは僕の脳内で可能な限り情報を補って読んでいる.)その後ニュートンの運動方程式をハミルトン形式で表すが(これは時間微分を回避するためだと第6章で述べられる),力学的保存量と心理学的保存量の対応付けはなされないまま終わる.

第6章「トポロジー」はゲシュタルト理論に数学的枠組みを与える.ハミルトン形式が力学系の法則を幾何学へと還元した手法を「トポロジー的手法」と呼び,この手法を活用する.まず脳内の信号伝達のモデル化を行う.一例としてパーセプトロンが挙げられる.次に知覚可能な多様体の議論に移る.ここで突然一般相対論が出てくるが,これは余興だろう.この多様体を数式で表しておき,何らかの数学的操作(フーリエ変換ユニタリ変換が挙げられれているが,両者は異なるクラスなので僕はまだ著者の真意を掴みかねている)によって心理的な「かたちの本性」へと辿りつけるというのが著者の主張である(ようだ).最後に実験とは行列の対角化だという主張があり,これは頷ける.(ちなみにフーリエ変換も無限次元行列の対角化だ.)

第7章「意識についての省察」は冒頭で「我々は先に配位空間上に定義された複素ベクトルΨに意識という言葉を当てはめた」と述べられる.これは第6章のまとめでもあるだろう.それをこの章では過去の哲学議論から吟味する.カントヘーゲルフッサールハイデガーが紹介され,意識が線形かどうか,すなわちベクトルかどうかという点について議論が深められる.KJ法ブレインストーミングについて考察が行われ,本書式7.2に至って(意識)=(知識)+(知識)+…という関係が登場する.

第8章「色の世界のメタ・モデル」では古典的な色彩論が紹介されるが,最後に「複素色立体」という独自の考え方が述べられる.実はこれ,僕も独立に考えたことがある.というのも,イマジナリーカラーのようにパラメタが常に正という量を見つけると,物理屋さんはかならず背後に複素量を探すでしょ?

第9章「メタ・モデルと量子力学」では「実は著者がデザインと関係するようになって一番最初に思いついたテーマ」である,量子力学とデザインのアナロジーが述べられる.まずフォトンの位置と運動量の不確定性が述べられ,ハイゼンベルクの不確定性原理をエネルギと時刻の間で表し,ついでエネルギを(情報)エントロピーと読み替える.これは面白いかも.続けてド・ブロイの波動と意識を構成する知識は同等という議論が出てくる.そして,この波動関数はシュレディンガー方程式に従うので,ハミルトニアンは意識宇宙の中心的実存であるとする.

終章に「探しあぐねた本当の名はもしや<美>ではなかったか」と書かれていて,ここではっとさせられる.本書の最後の文章は「美しいものはない,ただ美しいと思うのだ」という小林秀雄の思想で締めくくられる.

今度は深く読み込んで,改めて本書を紹介したい.

@2 months ago
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#design #math #physics 
日本の漢字 - 笹原宏之

面白い,かつ,興味深い.

冒頭から引用する.

私たちは,毎日数多くの文字に囲まれ,みずからもまた文字を書いている.ふだん何気なく読み書きしているその文字は,実は世界に数百存在する文字体系の中でも,きわめて珍しいものである.その文字の起源は,ほとんどが外国で生まれた文字にさかのぼる.外国で使われているあまたの文字の中から,日本語を表記するために使えそうなものを選び出し,時にその姿を変形させ,使い方を変質させながら,日本の文字として採り入れてきた結果である.日本人がそうして創り上げたものが,現在の多様性に満ちた文字の状況をなしているのである.

著者は豊富な図表を駆使して漢字の変遷を合理的に解説し,かつJIS漢字までの歴史的経緯を事例を挙げて紹介している.特に興味深いのは「妛」(山一女)という読み方不明の文字がJISに入った経緯を追ったところだが,その顛末は是非本書で読んで頂きたい.

第1章 漢字を受け入れる―日本の多様な文字体系
第2章 「圓」から「円」へ―俗字・国字の誕生
第3章 よく見る漢字
第4章 文字から見える社会
第5章 地名と漢字
第6章 一人だけの文字
第7章 日本人のための漢字とは

日本の漢字 - 笹原宏之

面白い,かつ,興味深い.

冒頭から引用する.

私たちは,毎日数多くの文字に囲まれ,みずからもまた文字を書いている.ふだん何気なく読み書きしているその文字は,実は世界に数百存在する文字体系の中でも,きわめて珍しいものである.その文字の起源は,ほとんどが外国で生まれた文字にさかのぼる.外国で使われているあまたの文字の中から,日本語を表記するために使えそうなものを選び出し,時にその姿を変形させ,使い方を変質させながら,日本の文字として採り入れてきた結果である.日本人がそうして創り上げたものが,現在の多様性に満ちた文字の状況をなしているのである.

著者は豊富な図表を駆使して漢字の変遷を合理的に解説し,かつJIS漢字までの歴史的経緯を事例を挙げて紹介している.特に興味深いのは「妛」(山一女)という読み方不明の文字がJISに入った経緯を追ったところだが,その顛末は是非本書で読んで頂きたい.

第1章 漢字を受け入れる―日本の多様な文字体系
第2章 「圓」から「円」へ―俗字・国字の誕生
第3章 よく見る漢字
第4章 文字から見える社会
第5章 地名と漢字
第6章 一人だけの文字
第7章 日本人のための漢字とは

@2 months ago
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#★★★★☆ #kanji 
ハカセといふ生物(いきもの) - 実験太郎, 立花美月

笑えないのだ.

リアルすぎて.

本書の図100「いざっ!」は初めての学会ポスター発表の心境を表したものだが,経験者なら目からH2Oをたっぷり1[mol]は流すだろう.

本書は人気の4コマ漫画ブログ「ハカセといふ生物」にストーリーを大幅に追加して出版されたもの.まずはブログで読んでみるのもよいだろう.

ちなみに,カバーは裏返すと学会ポスター風になっている.なかなか凝った作りだ.

ハカセといふ生物(いきもの) - 実験太郎, 立花美月

笑えないのだ.

リアルすぎて.

本書の図100「いざっ!」は初めての学会ポスター発表の心境を表したものだが,経験者なら目からH2Oをたっぷり1[mol]は流すだろう.

本書は人気の4コマ漫画ブログ「ハカセといふ生物」にストーリーを大幅に追加して出版されたもの.まずはブログで読んでみるのもよいだろう.

ちなみに,カバーは裏返すと学会ポスター風になっている.なかなか凝った作りだ.

(Source: href="http)

@3 months ago
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#★★★☆☆ #manga #blog 

文芸的プログラミング - ドナルド E. クヌース 

芸術としてのプログラミング クヌース先生の1974年度ACMチューリング賞受賞記念講演.アート,技術,サイエンスそしてプログラミングに関する話題.

go to 文を用いた構造的プログラミング 1974年の論文.当時始まりつつあった go to 文抜きの構造的プログラミングに対する冷静な批判.論文の最後に,未来の高級言語はには go to 文は必要ないだろうという重要な示唆が現れる.

すべてのトポロジカルソーティングの配置を生成する構造的なプログラミング ソートアルゴリズムの紹介.

文芸的プログラミング WEBシステムの紹介.

Jon Bentley のプログラミングパールズ:サンプリング問題 次の章への導入と,クヌースが書いたちょっとしたWEBプログラムが載せられている.

続プログラミングパールズ:共通語問題 クヌースによる,単語の数え上げ問題のエレガントな解答.ハッシュトライが使われている.本章後半でsortとuniqを使う別解が紹介される.

WEBの読み方 WEBシステムの補足説明.

TeXおよびMETAFONTのプログラム抜粋 タイトルのとおり.

ドキュメント算法 クヌースの1987年のプログラミングの講義録からの抜粋.WEBを用いている.

TeXのエラー TeXの構築におけるエラーの詳細な分析.

TeXのエラー記録 前章の下敷きになる生データ.クヌースの几帳面さがよくわかる.

CWEBの例題 CWEBシステムの紹介.

@3 months ago
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#Donald E. Knuth #★★★☆☆